リファラル採用を成功させるコツとは?運用方法や成功事例をご紹介

人材採用を行う際に、「コストがかかりすぎる」「自社にマッチした人材が見つからない」などの課題に悩む企業は少なくありません。こうした悩みを解決する採用方法として、リファラル採用に注目が集まっています。

とはいえ、「リファラル採用が自社に合っているかわからない」「本当に人材が集まるか心配」と感じる人事担当者もいらっしゃるのではないでしょうか。

そこで今回は、リファラル採用のメリットやデメリット、費用、運用方法、導入事例をご紹介します。

 

リファラル採用とは

リファラル採用とは、自社の社員に人材を紹介してもらう採用方法のことです。

リファラル採用に似た方法として「縁故採用」がありますが、縁故採用はおもに社長や役員の紹介によって家族や知り合いを採用し、スキルや経験を問われないケースも多いようです。いわゆる「コネ入社」として、ネガティブなイメージをもたれることもあります。

一方で、リファラル採用も自社の社員から人材を紹介してもらうという点は縁故採用と同じですが、一般的な人材採用と同じく、採用基準を満たしていない候補者は、採用されないこともあるという点に違いがあります。

リファラル採用のメリット・デメリット

リファラル採用が自社に合っているかどうかを確認するため、リファラル採用の特徴をつかむのは重要です。

ここでは、リファラル採用のメリット・デメリットをご紹介します。

メリット1.採用コストが安い

リファラル採用では、いわば社員がリクルーターとして、それぞれの知り合いの中から候補者を選び、推薦してくれるため、求人サイトや人材紹介サービスの利用に比べて、コストを抑えられます。

メリット2.マッチング率が高い

自社をよく知る社員が、業務内容や企業理念、職場環境などを考慮したうえで、適任と思える候補者を推薦するため、会社の求める人物像との高いマッチング率が期待できます。

採用された候補者が、会社に馴染めなかったり、思い描いていた環境とのギャップを感じたりして離職すると、改めて別の人材を採用する必要があるため、定着率の高さは無駄なコストや手間の削減にもつながります。

メリット3.潜在的な人材へのアプローチが可能

積極的に転職活動をしていないものの、より良い環境や待遇を期待する人材は少なくありません。ただ、そうした方は求人媒体に登録していない可能性が高いため、通常の求人方法で出会うのは難しいでしょう。

リファラル採用では、自社の社員を通して潜在的な人材にアプローチできるため、他社とのバッティングを避けつつ、優秀な人材の獲得が可能です。

メリット4.社員のエンゲージメントが向上する

リファラル採用に参加する社員は、候補者に対して自社をアピールしたり、さまざまな質問に答えたりします。また、候補者に対して効果的に話せるよう、備えることもあるでしょう。

その過程で、社員は自社の魅力や企業理念などについて改めて考えるため、エンゲージメントの向上が期待できます。社員のモチベーションや仕事の取り組み方に改善が見られると、パフォーマンスが向上し、会社全体の業績にも良い影響が及ぶでしょう。

デメリット1.時間がかかる

本来の業務ではないリファラル採用のために、社員が多くの時間を割くことは難しいでしょう。また、優秀な人材は現在の職場で活躍している場合が多いため、好条件であってもすぐに転職できるとは限りません。

人材を大量に、あるいは緊急に必要としている場合は、リファラル採用と別の求人方法の併用をおすすめします。

デメリット2.不採用による影響がある

候補者が採用されなかった場合、候補者と紹介した社員の人間関係が悪化するかもしれません。

社員が会社に対して不信感や悪感情を抱くことがないように、候補者が不採用になる可能性もあることを事前に伝えておきましょう。

リファラル採用にかかる3つの費用

低コストがメリットの1つであるリファラル採用ですが、採用工程をスムーズに進めるためにかかる費用がいくつかあります。

ここでは、リファラル採用にかかる費用についてご紹介します。

1.インセンティブ(紹介料)

基本的に、リファラル採用は業務時間外の活動になるため、リファラル採用への社員のモチベーションを高めるため、インセンティブ(紹介料)を支払う企業は少なくありません。採用が決まるごとに、あるいは紹介ごとに報酬が支払われるケースがあるようです。

また、金銭だけではなく、有給休暇やソーシャルギフト、人事評価の加点など、報酬の形も企業によってさまざまです。

2.交際費

リファラル採用に参加する社員の負担を減らすために、候補者との会食やイベントの参加などにかかる、交際費の支給を検討できるでしょう。

会食の費用を支給する場合は、リファラル採用以外の目的に使用されないように、明確なルールの策定をおすすめします。

3.リファラル採用支援サービスの利用費

リファラル採用を初めて導入する企業や、自社のリファラル採用を改善したいと考える企業は、リファラル採用支援サービスの利用を検討できるでしょう。

リファラル採用支援サービスを使うと、人材採用のプロによるコンサルティングやサポートを受けられるので、リファラル採用をうまく進められます。

リファラル採用の運用に必要な4つのポイント

「インセンティブを用意しているので友人を紹介してください」とアナウンスするだけでは、リファラル採用の成功は見込めません。

ここでは、リファラル採用の運用方法に必要な4つのポイントについてご紹介します。

1.仕組みづくり

リファラル採用の運用時には、社員がリファラル採用をよく理解して、積極的に参加できるような仕組みづくりが欠かせません。そこで、社員に求められている工程をはっきりとさせましょう。

また、リファラル採用に参加する社員の負担を減らすため、会社が行えるサポートを検討するのも重要です。

候補者が面接の前に気軽に社内を見学できる機会を設けたり、社員が自社の魅力を紹介するために利用できる動画やパンフレットを用意したりするのも効果的です。

インセンティブの報酬体系や、リファラル活動のために用いた経費の支払い範囲を定めておくと、余計なトラブルを避けられるでしょう。

2.専用ツールの導入

リファラル採用の専用ツールを導入すると、社員はスムーズに負担なく候補者を紹介できると同時に、会社も候補者の情報を管理しやすくなります。

ここでは、おすすめのリファラル専用ツールを2つご紹介します。

MyRefer

MyReferは、リファラル採用のすべての工程をクラウド上で行えます。リファラル採用ツールとして人気が高く、企業500社以上の利用実績があります。

社員は、SNSやメールを使ってワンクリックで紹介できるため負担が少なく、直接人事部や上司に報告する必要もありません。

会社側のメリットとして、リファラル採用に必要な情報の発信や、紹介された人材情報の一元管理ができるため、工数を大幅に減らせる点があげられます。

また、社員の協力率や紹介数も把握できるので、リファラル採用の改善を図ることも容易になるでしょう。

MyReferでは、蓄積したリファラル採用のノウハウによるコンサルティングも行っているので、初めてリファラル採用を導入する企業も、安心して利用できます。まずは、無料のデモ機能で使用感を確認すると良いでしょう。

Refcome

Refcomeは、リファラル採用を可視化することで、改善を図っていく伴走型サービスです。リファラル採用制度の周知状況や社員の活動状況を可視化することで、問題点の洗い出しや改善が可能になります。

これまで850社以上を支援してきたノウハウで、自社の状況や課題に合ったサポートを提供してくれるので、リファラル採用の成功率の上昇が期待できます。

自社を紹介するときには、知り合いに専用ページのURLを送るだけなので、社員の負担を軽減し、参加率を上げることも可能でしょう。

3.試験的な導入

全社でリファラル採用を実施する前に、試験的に導入することをおすすめします。

限られたメンバーだけで、専用ツールや自社で用意した動画やパンフレットなどを実際に利用し、使い心地や感想を共有することで、課題の発見や改善を図れるでしょう。

4.継続的な周知

本格的に導入を開始したら、継続的にリファラル採用を周知しましょう。会議や研修、社内イベントの機会、また、ポスターや社内SNSなどを用いて、定期的にリファラル採用について発信するのがおすすめです。

また、募集内容に変更が生じた場合はすぐにアップデートしましょう。なぜなら、古い情報のままでは社員の採用活動が無駄になったり、ミスマッチが生じやすくなったりして、社員のモチベーションが下がってしまうかもしれないからです。

リファラル採用の活用事例

ここでは、リファラル採用を導入した2社の活用事例をご紹介します。

富士通

富士通では、リファラル採用を導入することで、「これまでの求人方法では採用できなかった人材を確保できた」「今まで埋まらなかった求人がリファラル採用で埋まった」などの声があがっています。

とりわけ人手不足といわれるIT人材の獲得に結びつきやすいと感じているようです。

運用

富士通では、2017年上期に制度設計の検討を開始し、リファラル専用サイトの準備や選考プロセスの構築を行いました。

2017年下期に数百人を対象にトライアルを実施した結果、懸念されていた社員の業務への支障も見られず、積極的な意見が多かったため、2018年4月に正式導入されました。

初年度は、約2,000人の社員が積極的にリファラル採用に参加し、約20名を採用。マッチング率は人材紹介サービス経由と比較して、約10倍という成果を収めています。

周知

リファラル採用の導入以降、継続的にリファラル採用の周知を続けており、会議や研修での広報活動、社内報への掲載、ポスターの掲示、採用イベントでの周知などを行っています。

富士通で働くことに興味のある方に対してリファラル採用をもちかけられるように、社外向けのHPも制作しています。

参照:富士通株式会社 キャリア採用情報 リファラル採用制度

freee株式会社

クラウド会計ソフトの「freee」を展開するfreee株式会社は、人材採用の9割が自社採用で、そのうち7割がダイレクトリクルーティング、残り2割がリファラル採用という特徴があります。

創業当時の知名度が低い時期は、人材紹介サービスからの推薦も少なかったため、リファラル採用は人材確保に必要だったようですが、会社が拡大した今も人材獲得のために活用しています。

運用

freeeでは、リファラル採用を社員に強制するのではなく、社員が自発的に知人を紹介したくなるような環境づくりを意識しています。

たとえば、友人を会社に招待できるようにしており、気軽に社内の雰囲気を知る機会を作っています。

また、「リクルーティングアワード」と題し、リファラル採用の協力者を積極的に表彰することで、社員のリファラル採用へのモチベーションの向上を目指しているようです。

周知

社員へのリファラル採用の周知には、社内でのネットワーク配信や社内SNS、全社ミーティングの機会を活用しています。

普段から積極的に社員に声をかけ、探している人材の人物像を伝えたり、募集内容について率直な意見を聞いたりなど、普段からコミュニケーションをとることで、紹介したい人材について社員がいつでも気軽に尋ねられる雰囲気づくりに努めています。

自社に合ったリファラル採用で優秀な人材を獲得しましょう

労働者人口の減少により、優秀な人材の確保は、どの企業にとっても大きな課題の1つとなっています。

さまざまな求人方法のなかでもリファラル採用は、コストを抑えつつ、自社の求める人材にアプローチできるため、採用手法として検討する価値が十分にあります。

求人媒体と違い、社員は人材を探すプロではないため、リファラル採用を行う際には会社のサポートは欠かせません。

リファラル採用のための活動は、社員にとっては業務時間外の活動になるため、リファラル採用専用ツールの導入や、候補者が自社について知る機会を用意するなど、社員の負担を軽くする施策を検討しましょう。

また、インセンティブは社員のモチベーションを高める1つの手段に過ぎません。むしろ、自社がリファラル採用を行う理由や意義、達成したいビジョンを広く周知することで、社員は積極的にリファラル採用に協力してくれるかもしれません。

リファラル採用のメリットを最大限に活かした人材採用が行えるように、まずは試験的に導入し、課題を見つけ出して改善することで、自社に合ったリファラル採用を展開していきましょう。

 

 

執筆者 Toshiyu

Toshiyuさんプロフィール電力関連の仕事に13年従事、その後インドネシアに移住して一年のほとんどを海外で過ごす。現在はライターとしてフリーランス・副業・複業に関する記事を執筆。自由な働き方に挑戦する読者へ役立つ情報の発信を目指しています。