副業で発生した収入は「雑所得」と「事業所得」のどっちになるの?それぞれの違いも解説

最近多くの企業は、副業を解禁する流れに動いています。この記事を読んでいる方の中には、副業解禁にともない、自身のスキルアップや収入アップに向けて副業に取り組もうと思っている方もいるでしょう。

しかし、副業を始めるにあたり、稼いだ金額にかかる税金や経費の処理方法がわからず、最初の一歩がなかなか踏み出せないと悩んでいる方が多く見受けられます。

そこでこの記事では、副業で発生した収入の分類や、確定申告時に注意すべきポイントを解説します。

 

副業で発生する所得の分類

副業で発生した所得は、以下3つの所得に分類されます。

  • 事業所得
  • 雑所得
  • 一時所得

1.事業所得

事業所得とは、事業と認められた業務で発生した所得のことです。

事業所得と認められるためには、継続的な収入が見込まれている事業である必要があり、副業で発生した収入についても事業所得の対象となります。

例えば、副業でプログラミングやWebライターをしていた場合、継続的な収入が見込めると判断された場合は事業所得として認められるのです。

事業所得として認められると、確定申告時に青色申告が可能となります。

2.雑所得

雑所得とは、以下の所得に該当されない所得が対象となっています。

  • 事業所得
  • 給与所得
  • 退職所得(退職金)
  • 不動産所得
  • 山林所得
  • 利子所得
  • 配当所得

副業の多くは、基本的に雑所得となる可能性が高いでしょう。例えば、クラウドワークスやランサーズといったクラウドソーシングサイトで稼いだ収入は雑所得に振り分けられる場合が多いです。

3.一時所得

一時所得は、営利目的で発生した所得以外を指します。具体的には懸賞や福引など、金銭を使わずに獲得した賞品のことです。

ビジネスマンが副業をする場合、ほとんどのケースで事業所得か雑所得に分類されるため、一時所得は副業をするうえで考えなくても問題ありません。

雑所得と事業所得の違いとは

雑所得と事業所得の違いは、継続した期間で安定した収入を得られるかどうかです。

事業所得は、営利を目的として安定した収入を得られる状態である事業に対する所得であり、その状態ではない場合は基本的には雑所得へ分類されます。

また、損益通算が可能であるかも大きな違いです。損益通算は、事業で赤字が発生した場合に所得税の減税効果が期待できるもので、事業所得のみ利用できます。

副業の確定申告は事業所得がおすすめ

副業の確定申告をするときは、事業所得での申請がおすすめです。

事業所得の場合、確定申告をするときに「青色申告」で申告ができます。青色申告とは、正式な簿記の帳簿を備えつけるのが義務化されており、簿記の形式は「簡易簿記」か「複式簿記」のどちらか一方となっています。

青色申告を利用することで、簡易簿記の場合は10万円、複式簿記の場合は最大65万円の青色申告特別控除を受けられるのです。控除によって総収入額が変わるため、所得税や住民税の節税効果も期待されます。

ただし、青色申告を利用するためには、事業所得として認められる以外にも、「開業届」と「青色申告承認申請書」を税務署へ提出する必要があります。

帳簿は簿記の知識がないとつけるのが難しいので、税理士に依頼したり、自分自身で学習しながら利用するのがおすすめです。

副業の経費として申請できるもの

副業の確定申告をする場合、経費を申請することで節税対策になります。

経費が認められる所得は、「雑所得」「事業所得」「不動産所得」の3つです。したがって、雑所得か事業所得に分類される副業の場合は、条件を満たしていれば経費として申請できます。

経費は副業の業務で使われた何らかの費用を含んでおり、経費として申請すると収入から経費分が差し引かれて、所得税や住民税の金額が低くなるのです。

経費として申請できるのは、具体的に下記のようなものです。

  • 副業で利用しているパソコン代
  • 取材などの移動費
  • 物品で販売する商品の仕入れ料や発送料
  • 副業のために購入した書籍代
  • インターネット代金
  • 取引先との会食代
  • 副業で利用している面積分の家賃

副業をしている方は、経費として申請できるものがないかを確認し、少しでも税金を低く抑えるようにしましょう。

副業の確定申告で覚えておきたいこと

会社員の方にとって、副業の確定申告はわからないことが多いでしょう。そこで、確定申告をするなら覚えておきたい以下のポイントを解説します。

  • 年末調整をしていても確定申告は必要
  • 20万円以下の所得であれば申請は不要

年末調整をしていても確定申告は必要

会社員は、年末になると在籍している企業で年末調整が行われているでしょう。年末調整は、確定申告と別の仕組みになるため注意が必要です。

そもそも年末調整とは、従業員に支払った給与や賞与の所得税において、過不足のあった金額を調整する処理を表します。従業員は毎月給与をもらうときに、所得税が引かれていると思います。

しかし、この金額はあくまで支払った給与をベースに算出した概算であるため、控除などを含んだ実際の金額と差分が出てしまうのです。

そこで、多く支払っていたら金額を還付し、逆に足りないときには徴収する処理を実行するなど、差額分を年末調整という形で調整します。

会社での年末調整は、会社が支払っている給与を対象としているため、当然ながら副業分の金額分は含まれません。したがって、副業で稼いだ分は確定申告で所得の申告をし、所得に応じた税金の支払いをする必要があるのです。

20万円以下の所得であれば申請は不要

以下のケースでは、確定申告が不要とされています。

  1. 給与所得と退職所得以外の所得が20万円以下の人
  2. 2カ所以上から給与を受けている人で、主たる給与以外の給与の収入金額と給与所得と退職所得以外の所得との合計額が20万円以下の人

したがって、副業による所得が発生している場合でも、20万円以下であれば確定申告をする必要がないのです。

しかし、場合によっては20万円以下でも、確定申告によって所得税の一部が還付される可能性があるため、念のため申告をしておくのをおすすめします。

副業をするなら雑所得よりも事業所得がお得

今回は、副業で発生した収入の分類や、確定申告時に注意すべきポイントを解説しました。

副業は、基本的に雑所得か事業所得に分類され、事業として継続的な収益が見込める場合のみ事業所得となります。

また、次年度の住民税を抑えるためにも、副業に関わる経費が発生した場合には、経費を計上したうえで確定申告をするのがおすすめです。

副業で確定申告をする場合は、今回の記事を参考に、少しでも節税効果のある事業所得で申請するようにしましょう。

 

 

執筆者 Yukki

Yukkiさんプロフィール大学卒業後、第一地銀、外資系コンサルに勤務し、現在はエンジニア業務をこなしながらライター業にも従事。取り扱うテーマは、これまで勤務経験のあるテクノロジー領域を中心に発信。これまでの専門性を活かした読者のみなさまに貢献できるような内容を積極的に取り上げていきたい。